資料・宮台真司(在日の強制連行問題)

宮台真司(1960-)。社会学者。

2006年07月14日 videonews.comより 2分01秒 (1.61MB)  http://www.videonews.com/marugeki-talk/276/

左翼というのはずっと嘘をついてきたんですよ。 つくる会(*1)がそのことを持ちだしたのは、いや、つくる会でなくてもいつか誰かが持ちだしたんです。つまり、在日の方々が大半が強制連行されたかのような虚構を左翼は吹いてきた。一旗揚げるために来たというのが実は大半なんです。戦後日本の左翼は弱者性を顕揚するために、ある種の比喩として(強制連行されたという)嘘をついてきた。僕なんかも小さいころは左翼が言ってた教育を真に受けてたから大半は強制連行だと思ってましたけど。そして半島の方々は乗ったんですよその嘘に。それは弱者利権があるからです。それによって政治的なポジションや経済的な権益が得られるのでその虚構に乗った。左翼も、日本における左翼的なレジームを国民に定着させるために半島人を利用したんだ、ということを語り伝えればいいのに、それをやらなかったため、途中から左翼自身も本当にその物語を信じてしまうようになった。

この動画が指摘していることは、まず在日の強制連行が虚構であり弱者利権であったということである。 しかし同時にこの動画は、1996年に発足した「つくる会」が指摘するまでは、強制連行説がそれなりの規模で信じられていたという事実をも述べている。
つまりこの動画は、1991年に認められた特別永住資格の三世以降への拡大が、強制連行説が信じられていた時代に行われたということを傍証するものなのである。 (→特別永住資格(1991年)は「強制連行」の政治利用で得た賜物である

ところで強制連行説について、余談的に筆者の思い出話をすると、このレベルの著名人が「強制連行」が虚構であり、弱者利権であるということをはっきり指摘しているのをみたのは、筆者の見ていた範囲では、これが最初のものである。

両氏は簡単に言いのけているが、この動画をリアルタイムで見ていた筆者はかなり大胆な発言だと思っていた。

というのは『マンガ嫌韓流』(2005年)が刊行された頃は、著者の山野車輪氏がなんども出版を断られたと証言するほど、在日や韓国批判はまだタブーの時代だったからである。

この2000年代半ばという時代は、インターネットが黎明期を脱する時期にあたり、この動画などを含め、さまざまな資料や証言が増えていく(見えていく)時代だった。 筆者自身もそうした時流にのって、それまで半信半疑であった「強制連行」「植民地支配」の虚構性について、徐々にその認識を修正していくことになる。*2

*1) 新しい歴史教科書をつくる会。西尾幹二、藤岡信勝らにより1996年設立。
*2) 筆者が「強制連行」を疑いはじめたのは、2004年頃に『コリアン・ザ・サード』というブログに出会ったことがきっかけである。そこで「強制連行」が疑わしいことがわかってくると、「植民地支配」についても疑うようになっていく。「植民地支配」を調べはじめると、創氏改名が強制ではなかったこと、ハングルは日本人が教えていたこと、朝鮮語禁止政策は嘘であったことなど、これまで言われてきた「植民地支配」の実情が全くデタラメだったことがわかってくる。そして、なぜそんなウソがまかり通っていたのかと愕然とすることになる。