朝鮮半島を「紀伊半島」に置き換えるとわかる「従軍慰安婦」問題のおかしさ

「従軍慰安婦」や「強制連行」の問題について、その「おかしさ」(荒唐無稽さ)を伝えるのはなかなかむずかしい。

しかし次のような例を出せば、この「おかしさ」が伝わるだろうか。

【A】 日本軍が朝鮮半島から朝鮮人女性を20万人規模で拉致誘拐するなどして従軍慰安婦にした。

【B】 日本軍が紀伊半島から日本人女性を20万人規模で拉致誘拐するなどして従軍慰安婦にした。

この AB を読み比べてみて、読者はどのように感じるだろうか。

まず【B】については、さすがに誰でもおかしい(荒唐無稽)と感じるのではないだろうか。 同胞(味方)である日本人に対して日本軍がそのようなことをするはずがないからである。
しかし【A】について、1990年代の筆者とつかこうへいはおかしいとは思っていなかった。 なぜか。
それは、当時の筆者とつかこうへいは、朝鮮人のことを、日本人の同胞ではなく非同胞、すなわち日本によって「植民地支配」されている一種の奴隷階層であると錯覚していたからである。 そのため【A】に違和感を覚えなかったのである。 (→拙稿つかこうへいが描いた「従軍慰安婦」

しかし実際は日本人と朝鮮人は同胞(味方)だったのであり、したがって従軍慰安婦【A】などありえるはずがないのであって、つまり本来であれば【A】【B】どちらにも同じように「おかしい」と感じなければならないのである。 逆から言えば、【A】【B】に同じ「おかしさ」「荒唐無稽さ」を感じられるようになったとき、はじめて本当に戦後教育の洗脳から解けたといえるのである。

※この従軍慰安婦【A】の荒唐無稽さを、あえて現代で喩えるなら、米軍(同盟国で日本の味方)が、湾岸戦争やイラク戦争を戦うために、20万人規模で日本人女性を拉致誘拐して連れて行ったと言うようなものである。(ありえない)
もちろん当時の朝鮮は日本に併合され、国家ではなくなっていたので、「同盟関係」ではないが、しかし同胞(味方)であるとはそういう種類の関係であって、ゆえに「従軍慰安婦」など、社会構造的に絶対にありえないのである。「従軍慰安婦」を一瞬でも信じた人は、朝鮮人=非同胞(奴隷階層)という(そういう種類の)錯覚をしているのである。(参考→つかこうへいの歴史観

なおいわゆる「強制連行」の問題にも同じ構造がある。

誤: 朝鮮人朝鮮半島から強制連行した。(そして強制労働させた)
誤: 日本人を能登半島から強制連行した。

正: 朝鮮人を朝鮮半島から徴用した。(労務供出させた)
正: 日本人を能登半島から徴用した。

「従軍慰安婦」「強制連行(強制労働)」という虚構は、いずれも朝鮮人が非同胞であったという錯覚に基づいている

この錯覚から覚めて、朝鮮人が日本人の同胞であったことを理解できれば、慰安婦や徴用工の問題とは、国家犯罪などではなく、単なる社会問題、労働問題の類にすぎないことが理解できるはずである。(→「朝鮮半島をめぐる歴史問題」とはなにか

徴用工や慰安婦の問題は、朝鮮人だけでなく日本人にもそのままあてはまる問題であり、その点で朝鮮人はなんら特権的犠牲者ではないのである。(→「強制連行」の正体は、兵役の代わりに課せられた労働義務にすぎない

日本人と朝鮮人は同胞であり同じ問題を抱えていたということを理解すれば、たとえば慰安婦問題を女性の人権問題であるといいながら、日本人慰安婦をずっと蚊帳の外に置いている左派の矛盾と欺瞞(おかしさ)などにも気づくことができるはずである。

(終)