資料・辛淑玉

辛淑玉(1959-)。在日朝鮮人3世。1990年前後からTVに出始め、歴史認識問題について大きな影響力をもっていた人物。


『朝まで生テレビ』より 1分12秒 (1.21MB)

あのね、今目の前で人が殺されなければ戦争の状態がわからないというのはとんでもない話ですよ。

少なくともあなたたちの回りには、戦争の後遺症、もしくは戦争の被害、もしくは戦争の犠牲者になった人は山のようにいるわけですね。それは何(誰)なのか。たとえば在日韓国朝鮮人がまさにそうですよ。あなたたちが仕掛けて、平和の内に入ってきて、強姦して生ませた子どもが在日韓国朝鮮人ですよ。

その人たちが隣にいて、なおかつ自分の名前で生きることもできない状態の社会をつくっていて、それさえ気がつかなくて。すぐちょっと横を見れば、目を開けてみれば、今でもあの戦争の傷跡が生々しくあるにもかかわらず、なのに、見ようともしない。

戦争を知ろうとか、何かしようとか、海外に出ればわかるだろうとか、もしくは戦争しているその現場に行けばわかるだろうとか考えるのは、非常に愚かなことですよね。 周りを見ればいっぱいあります、山のようにあります。

この動画は1990年代前半のものだと思われる。筆者が朝生をよく見ていた時代の彼女の姿であり、およそ間違いない。

このような発言を「南京大虐殺」「植民地支配」「強制連行」などを信じていた二十歳前後の人間が素朴に聞いたらどう思うだろうか。  はたしてこの言い方で、在日は出稼ぎでやってきてそのまま残った人々である、という理解になるだろうか?
むしろ「植民地支配」「強制連行」についての誤解を強化する結果になっているのではないだろうか。
客席の大学生らしき人々の反応は、どう見えるだろうか。

ちなみに筆者も、この頃は辛淑玉氏が「特殊な人」であることを理解していない。

(つまり、在日一般がこのような想いでいると思っていた)

だからこうした「お説教」を在日一般の「強制連行」の「証言」だと思って素朴に聞いていたのである。