閲覧上の注意

本サイトでは1980年代~1990年代に「植民地支配」がどのように誤解されていたのか、その誤解の中身について説明している。

ただし、この誤解には個人差があって、(1)まったく騙されていなかった人、(2)一部の項目だけ騙されていた人、そして筆者のように(3)世界観からほぼ全面的に騙されていた人がいる。(→「植民地支配」をめぐる2つの世界観

当サイトの歴史認識(誤解)は(3)を中心に説明しているが、それは当時日本人全員が(3)のような誤解をしていたということを意味するものではないということに注意してほしい。(2の段階にとどまっていた人もいたし、もちろん1の人もいた)

もうひとつの注意点は、本サイトでは歴史問題にまつわる問題を提起をしているが(→「朝鮮半島をめぐる歴史問題」とはなにか)、当時を経験している人でも、皆が筆者のような執着――怨念と言ってもよい――をもっているとは限らないということである。

その理由は、ひとつは上述したように歴史認識にはまず個人差があるということ。

またひとつは、当時の歴史認識や外交の問題というのは、今日のようにSNSなどを経由で誰もが目に触れ、それなりに世間の関心事になっている時代とは異なり、比較的マイナーな領分であって、関心自体をほとんどを持たずに過ごした人も少なくないということである。

つまり歴史問題にもっとも執着している人(怨念を抱いている人)は、いわゆる「自虐史観」に染まり、歴史問題に当事者意識を持っていて、その後、歴史観を転換した人、つまり贖罪意識を利用されたと感じている人であると考えられるが、歴史問題に関心がなかった人などはこの問題にはそれほど執着がない。

このように、もっていた史観の違いや関心の度合い、また立ち位置の違いなど、それぞれの事情や見方によって、同時代を過ごした人にも「自虐史観」やそれにまつわる問題についての理解やこだわりには温度差がある。 (2000年以降に歴史問題に関心を持ったような人は、こうした経緯の認識自体が抜けている人もいる)

本サイトを閲覧する際には、あるいは今日巷で繰り広げられている歴史論争を眺めるときには、歴史認識と問題意識について、以上のような個人差があるということに留意しておいていただけたらと思う。